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明治の彫金-海野勝珉とその周辺
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【内容紹介】
彫金とは金属の表面に鏨(たがね)で文様を彫ったり、切り透かしたり、そこに他の金属を嵌(は)め込んだりする装飾技法のことです。日本の彫金は、桃山時代から江戸時代にかけての刀装具の製作、いわゆる装剣金工の分野で大きく発展し、それ以外にこの技術は小物類などの装飾にも活かされてきました。明治維新を迎えると、廃刀令の公布などによって、それまでの彫金の需要は大きく減少し、一時衰退しますが、新しく流入した洋風の生活様式に用いられる、花瓶や煙草箱などの調度に彫金が用いられるようになりました。また、19世紀後半以降、国内外で盛んに開催された博覧会に彫金による図額や置物などが数多く出品されて好評を博し、精巧な彫金技術による新たな装飾美の可能性が見いだされました。彫金技術が様々な調度に取り入れられて、そのバリエーションが広がった明治時代は、彫金が最も華々しく脚光を浴びた一時期であったとも言えます。
海野 勝珉(うんの しょうみん、天保15年5月15日(1844年6月30日) - 大正4年(1915年)10月6日)は、日本の彫金家。幼名・竹次郎。別号は東華斎、芳州。明治初年上京、明治9年(1876年)駒込千駄木町で開業した。明治10年(1877年)第1回内国勧業博覧会、明治14年(1881年)第2回内国勧業博覧会で褒状。明治23年(1890年)、第3回同博覧会で「蘭陵王」で妙技一等賞。翌年東京美術学校助教授となり、先達で同校教授だった加納夏雄に師事し更なる研鑽を積む。明治27年(1894年)同教授、翌年の第4回内国勧業博覧会では審査員。明治29年(1896年)6月30日には帝室技芸員を拝命[1]。明治38年(1905年)加納に続き勲六等瑞宝章受章。大正4年に逝去後は、従四位勲四等に叙せられた。
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